「今を生きる」の本質。

 

“今を生きろ” 

 

高校時代、あれは確か英語科の先生が事あるごとに言っていた言葉。

あの頃は、そしてつい最近まで、

真意をつかめぬまま多くの時間を浪費した。

 

“今を生きる”と言ったって、

未来のビジョンを描き、計画立てて行動しなければいけないじゃないか。

“今を生きる”と言ったって、

過去をきちんと振り返り、内に潜む悪党を成敗せねばならんじゃないか。

 

そう心に決めていた私は、

我を振り返ることなく他人の功績に羨望の眼差しを向け、自己を無下にしてきた。

努力して手に入れたものを褒められても、それはいつか取って代わられると戒めてきた。

 

今思えば、ちっとも今を生きていない。

 

“今を生きる”ということは、

自分の心の底に耳を傾け、

自分を労り信じて、

心のままに生きることである。

 

“今やりたい”と思ったことは今やらないと、

その瞬間の感情やタイミングはもう来ない。

“今伝えたい”と思ったときに伝えないと、

本音を伝えられることは二度とない。

それがこの世の常だ。

 

“今やる”ことの積み重ねが、

良縁を引き寄せると私は信じてやまない。

 

だからこそ、“今を生きる”んだ。