いま
わたしは今日も街を歩く
四車線の大通り
信号機は青に変わり
忙しなく走りゆく自動車
さまざまなカタチで
さまざまないまを乗せて
どこがはじまりでどこがおわりか
見知らぬ小路といつか来た道が交差する場所
立ち並ぶビルを見上げれば
かつての記憶が鮮明に甦る
かつてのわたしに思いをはせば
埃まみれの本が言葉を紡ぎだす
わたしは今日も歩いてく
どこがはじまりでどこがおわりか
そんなことは分からぬけれど
コーヒー店に並ぶひと
コーヒーを片手に言葉を交わすひと
仲睦まじく手をとりあうひと
遠い誰かと話をするひと
そこには確かに幸せがあり
何にも代えがたい愛がある
いくつものいまを重ね
いくつものいまを感じながら
空はどこまでも続いている
わたしを愛し 誰かを愛し 世界を愛し
てとてを取り合い 今日も生きてゆく