今週の一曲「サライ」
三月。
月並みではあるが、「出会いと別れの季節」
旧暦では別称「春惜月」とも呼ばれていたそうだ。
この時候「惜別」という言葉が相応しい。
誰しもの心に宿る「ふるさと」との別れにふさわしい一曲が
“サライ”
https://www.youtube.com/watch?v=vbioHk8rWXw
あの24時間TVのエンディングに流れる、言わずと知れた名曲。
視聴者から歌詞を公募し、それを元に加山雄三さんと谷村新司さんが番組内で書き上げたというのは有名なエピソードだ。
一番目が、「旅立ち」
“遠い夢 すてきれずに 故郷を捨てた”
“サクラ吹雪の サライの空は 哀しい程青く澄んで 胸が震えた”
見送られる側からすれば、長い時を共に過ごしてきた「サライの空」に、哀しみの表情を向けてほしいだろう。
だが彼はそんな素振りはつゆも見せず、むしろ「餞」のごとく青く澄み、頑張れと背中を押してくれているのだ。
二番目が、「上京後の日々」
目標に向かって邁進するなかで、苦境に立たされることもある。
上手くいかなかったり、周りから裏切られたり…自分の運の悪さと不甲斐なさに落ち込む時もある。
でも、夢のためなら、強く生きなければならない。
慌ただしく過ぎ行く日々のなかで、ふと空を見上げる。
“サクラ吹雪の サライの空へ 流れていく白い雲に 胸が震えた”
三番目は、「郷愁と感謝」。
つのる寂しさに、ふとアルバムを開ける。
両親と過ごした日々が走馬灯のように駆け巡り、感謝、そして
“いつか帰る きっと帰るから”
と決意を決め、また生きていくのだ。
まずは何といっても、
日本語の美しさ、誰しもがもつ「郷愁」
が見事に歌の中に凝縮されている。
同じ境遇にある私は、近頃この歌を聞くたびに実感が湧き、心揺さぶられる、そんな一曲である。
“愛の故郷 塩屋へ いつかきっと帰るから”
その日まで、心を強く持ち、邁進するのみ。
thanks for reading!