“フォレスト・ガンプ”からの便り。

 

多くの人たちが羽を休める金曜日。

 

金曜ロードショー」で放映されている、多くの人が

愛の眩さと儚さに涙しているであろう不朽の名作「タイタニック」を横目に、

 

私は別の作品で、何とも言えぬココロのじんわりと温かい感触に浸っていた。

 

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トム・ハンクス主演、1994年に公開された“フォレスト・ガンプ-一期一会-”

 

身体的ギャップを抱えていたり、医者から知能が劣っていると言われたり。

幼い頃から“変わっている”と嘲笑の的にされ、

決して順風満帆な幼少期ではなかった主人公。

 

しかし、“ソウルメイト”ともいえる少女との出会いが、今後の

彼の人生を大きく変えていくことになる。

 

ベトナム戦争への出征、そこでの“友人”との出会いと別れ、

戦場で亡くなった“友人”との約束の成就、

繰り返す“ソウルメイト”との再会と別れ…

 

時には静寂の海、時には燦々と降り注ぐどこまでも続いてく野原、

時には荒れ狂う嵐。

 

山あり谷ありが人生で、得たものや失くしたもの、

嬉しいことや辛いこと、出会いと別れもある。

時には、変貌ぶりに失望してしまうこともある。

 

そんななかで、彼が失くさなかった、たったひとつのもの。

 

“自分のゆく道を、信じぬく心”

 

どんなに嘲笑されても、呆れられても、白い目で見られようとも、

彼は決して妥協しなかった。

 

自分の心に決めたことを、ただひたすらに信じぬいた。

いつも、大切な相手の幸せを祈りつづけた。

誰に何を言われようと、自分の道を突き進んでいた。

 

そして何よりも、

自分の心に、正直でありつづけた。

 

世の中の情報に常に翻弄され、影響される私たち。

顕在化できる“評価”にすがりつき、囚われつづける私たち。

順位への執念を捨てきれずに、画一化されたトラックを走り続ける私たち。

 

それでもただ無情に進んでゆく時間のなかで、

これらといつも格闘しながら、問答しつづけていく。

 

“私のほんとうに進みたい道はどれなの?”

 

嬉しいときは、とことん嬉しくなればよい。

悲しいときは、とことん悲しめばよい。

怒りに苛まれるときは、とことん怒ればよい。

傷ついたときは、泣きはらせばよい。

ひとりで抱えきれないときは、誰かを頼ればよい。

 

ただ、自分の心に正直に、真っ直ぐ向き合って生きていこう。

一番に、自分の心を労わってあげよう。

抱え込んだ過去の感傷と向き合い、ありのままの気持ちを抱きしめよう。

 

自分の道を、ただひたすらに、信じてやまない心が、

いつか必ず、かけがえのない幸せを運んでくる。

 

それが、私たちそれぞれが持つ“運命(さだめ)”だから。

 

そんなことを、“フォレスト・ガンプ”から教えてもらえた、

初夏らしくない湿った空気に包まれた、五月の宵の金曜日であった。